アイスを急いで食べる

 

ここ一週間についての日記です。


冷蔵庫も洗濯機も電子レンジも無い新居で風邪をひいたりした。食べるものが無いまま、ただただ時間が経つのを眺めて過ごした。思ってたよりはやくこういう時間がやってきたなと思った。ベッドから見上げたカーテンレールの形とか、薄暗くなっていくだけの部屋ってこういう雰囲気なんだなとか、部屋の細部がぐっと身近に感じられるようになるのってもっと先に起こることだと思ってた。なんにもしない時間を過ごしたことで、自分の五感がこの部屋と同期してきたかんじがする。客観的な観察じゃなくて、主観的な手触りや匂いによって自分の生活を捉えていくかんじ。


部屋に光回線を引くにあたってどのプロバイダを契約するかとか大家さんの許可を取れるのかとか数年前に契約した携帯のプランが月3GBしか使えないだとか色々なことが重なって、新居でインターネットがほぼ使えない状況に陥ったりした。これを機にしばらくSNSと距離を置くことにした。Twitterをやめて、本を読んだり音楽をかけたり、どうしようも無くなったら自分で歌ったりして過ごしている。


インターネット環境は大事。みんな引越しの時にはよく気をつけてください。
でも、Twitterをやめてみたのは良かったと思う。Twitterばっかりやってるとどんどん短文で頭が切り刻まれてくみたいな気がする。ここしばらくそういう行き詰まりを感じていたんだけど、どうしたらいいのかわからなかった。良くも悪くも人からの反応があるから、内省的なことを書いてると良くない方向に加速してしまったりする。考えを掘り下げることとそういう書き方の相性が、本当は良くないんだと思う。もうすこし長くて速度の遅い文章だと、自分の中で方向を決めきらないまま、考え続けながら書けるような気がする。というわけでひさしぶりに長い日記を書いています。


それにしても文章を書こうとすると、いつも自分がどれほど愚かなのかを思い知らされたりする。自分の愚かさがよく見えてくる、鋭く見えてくる。
たぶんわたしはフィクションについてまだよく理解していないと思う。どうしてこの世にフィクションが必要なのか、本当に必要なのかわかっていないし、自分とフィクションの距離を見誤っていると思う。自分のこの愚かさをもっと分解できたら、いつかちゃんとした文章を書きたいな。


当たり前すぎてつまんないんだけど、ひとり暮らしはものすごくさみしい。どうして誰もわたしのことを目撃していないんだろうと思う。毎日こんなにかわいく生きているのに。ひとり暮らしになってからアイスを食べなくなった。アイスが食べたくてアイスを買ってたんじゃなくて、アイス食べちゃおっかな〜どうする?いまからコンビニ行っちゃう?みたいなやりとりが楽しかっただけなんだなと思ったりした。うっかり買ってしまったアイスは、友達と電話している(さみしくない)時にいまだ!と思って急いで食べた。
でもインターネットが無いからしばらくは友達と電話もできないしアイスを急いで食べることもままなりません。はやくインターネット開通しないかなあ。おわり。